お芝居情報


 呑みすけカマタリ  とその仲間たちの 

  "お芝居情報" と "カンゲキ・ノート"


[お芝居情報]……おいしそうなところを見繕って紹介します。
[カンゲキ・ノート]……観てきた芝居についての感想ノート。
No観劇日カンゲキした人演 目
No.22001.02.25柳瀬善治「サド侯爵夫人」
No.12000.11.20柳瀬善治近代能楽集(卒塔婆小町・弱法師)

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お芝居情報


 呑みすけカマタリ
003(2001.01/12)
  オリガト・プラスティコ Vol.1『カフカズ・ディック』
  • 東京公演
    日程:2001年1/26(金)〜2/4(日)
       水・土・1/28=14時,19時 その他平日=19時 2/4=14時
    劇場:下北沢本多劇場 03-3468-0030
    お問合せ:森崎事務所 03-3440-8470
  • 大阪公演
    日程:2001年2/6(火),7(水) 両日とも19時開演
    劇場:上本町近鉄小劇場 06-6771-1009
    お問合せ:近鉄劇場 06-6771-1009

  料金:当日・前売共 4,500円(全席指定)

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:小須田康人、山崎一、田山涼成、三上市朗、正名僕蔵、廣川三憲
   内田春菊、松永玲子、小沢真珠  /  広岡由里子

 情報屋カマタでございます。
 今回の芝居情報は、出演者から「宣伝しておくれよ」というメールが届いたので、そ のメールの転載も交えながらお届けいたします。

 作・演出はナイロン100℃のケラリーノ・サンドロヴィッチ。ナイロン100℃のケ ラリーノ・サンドロヴィッチと言ってもぴんとこないかもしれませんが、有頂天のケ ラ、と言ったらおわかりになる方もいらっしゃるかと思います。私も一昨年、「ケラ さんが芝居を!?」と非常に驚いたのですが、なんと昨年“エンゲキニン生活”15周 年を迎えたとのこと。
 ナンセンスな笑いと絶妙な間、異常にうまい役者。そんなナイロンの毒にはまって しまった私は、一昨年以来、毎公演観ております。
 今回の公演は、そのナイロン100℃のケラリーノ・サンドロヴィッチと東京乾電池 の広岡由里子によるユニットの第1段です。

「売れない作家フランツ・カフカ(小須田康人)と、彼を支える親友のマックス・ブ ロート(山崎一)と、カフカの恋人達や妹達、カフカの周辺の様々な人間模様を、時 には理屈で時にはドタバタで、時にはしんみりとお見せします。 カフカの生涯も、カフカの作品も知らなくて大丈夫。まあ、知っていたら裏の見方も できるかとは思いますけど。 非常に奇妙で芸術で爆笑の舞台です。」(出演者の松永玲子さんからの宣伝メールよ り)

 出演者も魅力的ですし。呑みすけも是非観たいと思っております。
 チケットの予約は松永玲子さんのHPマツナガ宅で受け付けています。
  http://www.stage-d.com/branches/mr/
 ナイロン100℃の公式HPはこちらです。
  http://www.sillywalk.com/nylon/


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 呑みすけカマタリ
002(2000.12/06)  花組芝居 「かぶき座の怪人」
  • 東京 2001年2月13日(火)〜25日(日) スペースゼロ
  • 大阪 2001年3月3日(土)〜4日(日) シアタードラマシティ

  一般発売 東京 12月2日(土)より  大阪 12月17日(日)より

 久々のお芝居情報!!
まだ「泉鏡花の海神別荘」の幕も開いていないというのに、またまた花組芝居です。

 「かぶき座の怪人」の初演は1989年。タイトルから分かると思いますが、「オペラ座の怪人」を基にして、歌舞伎界の裏側を描いた作品。芝居小屋でのバックステージと、劇中劇が渾然一体となる超大作!!各界にセンセーションを巻き起こした問題作!!ということなのですが、実は今回、「かぶき座の怪人」は完全新作として復活するそうです。おまけに、花組芝居の加納幸和と、東京サンシャインボーイズ出身で、泪目銀座の福島三郎の共同脚本。人間味溢れるあたたかいストーリーで人気の福島と加納のネオカブキがいかに絡むのか、大きく期待するところです。


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 呑みすけカマタリ
001(2000.10/02)  花組芝居 「泉鏡花の海神別荘」
  • 2000年12月 09日〜12月 13日東京・ラフォーレミュージアム原宿 9/30前売発売
  • 2000年12月 22日〜12月 24日大阪・近鉄小劇場 10/22前売発売

 花組芝居については以前も紹介したことがあったかと思いますが、演出、作家、俳優 を兼任する 加納幸和座長を中心として、自らを『ネオかぶき』と称する男性ばかり の劇団。
 「高尚になり、堅苦しく難解なイメージになってしまった『歌舞伎』を、 昔のよう に誰にも気軽に楽しめる最高の娯楽にと、『歌舞伎の復権』を目指す。 底知れない 歌舞伎の知識を活用しながら、全く枠に囚われないユニークな発想と、 古今東西の 音楽美術を取り込んで、独特の『加納ワールド』を展開。」(花組芝居オフィシャル サイトより)

 花組芝居が鏡花作品を演目に取り上げるのは「夜叉ヶ池」「草迷宮」「天守物語」 「日本橋」に続く5作目(だったと思う)。ちなみに花組の「草迷宮」については、 佐伯順子著「泉鏡花」@ちくま新書(660円)にて「花組芝居『泉鏡花の草迷宮』」 で取り上げられています。

 今回の「海神別荘」は全くの初演モノ。
 加納曰く「玉三郎&新之助の『海神別荘』(昨年か一昨年くらいに上演)を観て、な んじゃこりゃ、と思った。大体あのホンは芝居的仕掛けが少な過ぎて、薄っぺらい。 そんな芝居をあんな絢爛豪華な演出で演ったら、薄っぺらさが余計目立つ。というこ とで自分たちはシンプルにやりたいと思う。」(加納さんが言ったことを私なりにま とめて記しています)
 ということで、以前花組芝居が、いつもの豪華な衣装をつけずに黒紋付、袴で演じた 「素ネオカブキ」というのがあるんだそうだが、それに近い方法でやるとか。「紋 付、袴でやるわけじゃないけれど」と。

 公式サイトは
  http://www.hanagumi.ne.jp/


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カンゲキ・ノート


[No.2] 2001.3.17 柳瀬善治
「サド侯爵夫人」
 観劇日 : 2001.02.25 栗東芸術文化会館さきら

   「公共ホール演劇製作ネットワーク事業」の一環として全国を巡回してきた「サド侯爵夫人」の栗東公演(最終日)を見てきた。
 駅前のいかにも地方の箱モノ行政の産物と思しき豪華なホールは400人の席がむらなく埋まり関心の高さを物語っていた。
 世界的パーカッション奏者高田みどりの演奏で始まった公演は、古典劇を思わせる演出(とおそらくは鈴木忠志による照明の効果)とルネ役の美加理の抑制された演技が素晴らしく、谷原義雄の衣装も各人の人物造形にぴたりとはまるものだった。夏木マリのモントルイユ夫人がまるで橋田須賀子の芝居のように見えたのは「山の手言葉のパロディ」という三島作劇術ゆえのアイロニーか?
 女たちの言葉から、男の「記憶」とフランス帝政の「法」、サド=ラカン的「倫理」の相克が、それらすべての崩壊を予感させながら緻密な連関とともに浮かび上がる様は、この芝居の完成度の高さを物語る。
 三島が選択した劇という形式は、ドグマティーク(ルジャンドル)という形で(神々の)法の形成から(世俗の他者に触れることによる)崩壊までを描き出すことができるのではないか、そこではじめて我々は複数の「法」が衝突する「文明の裁き」(牛村圭)を表象する手立てを持ちうるのではないか、そんなことを考えながら劇場を出た。


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[No.1] 2000.11.22 柳瀬善治
近代能楽集(卒塔婆小町・弱法師)
 観劇日 : 2000.11/20

 近代能楽集を、愛知県勤労会館まで見に行ってきました。埼玉の劇場が企画したもので、演出はあの蜷川幸雄、二十数年前に初演されて絶賛され、かつてユリイカに演出ノートが掲載されたいわくつきの舞台です。前売りを買い損ね、入りたくもない名古屋テレビの何とか倶楽部というのに入会し、インターネットで当日券を予約しました。
 「卒塔婆小町」「弱法師」の二つで、「卒塔婆小町」は、配役を全部男にするというルカチェフスキーばりの演出、そして老婆役の壌晴彦のしたたかな演技には感心したものの、やはりこれはレーゼドラマかなという懸念も持ちました。余りにも鹿鳴館的な偽物っぽさの喚起が強過ぎて、劇的感銘が沸かなかったのです。
 「弱法師」は、藤原竜也の演技が圧倒的で、脇をかためる筒井康隆、高橋恵子の演技も押さえ気味で渋く、劇的空間として表象されてはじめて見えてくるものがありました。盲目の俊徳の言葉が他の役者の眼差しを代行するように、「弱法師」は言葉による偽の秩序が俳優と観客の身体を編成する三島劇のドラマツルギーを典型的に示した作品かもしれません。
 これを見て喜んで家に帰ったら、TVでは「名誉ある撤退」という「世紀の茶番劇」で、三島の劇を見事に可視化した藤原竜也と、野中の猿芝居でしか演技できない加藤紘一、同じ「日本人」のやることかという有様。これでは「忠臣蔵」で、吉良邸に討ち入りに入った赤穂浪士が、吉良と抱き合って志賀直哉よろしく「和解」しているようなもので、日本を「神の国」だというなら「市ヶ谷に行って自決しろ」と言いたくなります。

※ 2000.11/21投稿の「うずまき-BBS」の記事より、ご本人の許可を得て転載。


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投稿雑文誌 うずまき